立形マシニングセンタをまなぶ(メーカー編・後編)

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前回の立形マシニングセンタのメーカー別の特徴編 〜前編〜

立形マシニングセンタをまなぶ(メーカー編・前編)
立形マシニングセンタのメーカー編・前編です。立形マシニングセンタのおすすめTOP10をまとめています。メーカーごとの特徴を知ることで、自社に最適なマシニングセンタを選定できるになります。まなぶくんと一緒に学びましょう!
この記事で学べること

立形マシニングセンタの導入にあたって、こだわりを持った機種選定ができる

「実はこんなメーカーもあるの?」の気付きを得られる

『立形マシニングセンタのメーカー別の特徴編 〜前編〜』では、立形マシニングセンタの導入選定において、絶対外せないTOP10メーカーを取り上げました。後編で取り上げさせてもらったメーカーがTOP10に入れられなかったのは、あくまで一般加工における立形マシニングセンタでの話です。”5軸制御マシニングセンタに強い”・”量産に強い”・”特注設計機に強い”といった特徴ある機械を生産しているメーカーさんたちです。

ホームページには記載していない業界人のみ知る”生の情報”を記載しているので、ぜひ立型マシニングセンタ導入の参考にしてください。

株式会社 松浦機械製作所

パレットチェンジャー5軸マシニングでおなじみの松浦機械製作所です。”人のやらないことをやる”という社内スローガンが昔からあるらしく、1991年から多面パレットシステムでの5軸制御マシニングセンタを製作していたことは驚きですね。

形マシニングセンタのラインナップは2機種でサイズ別では全5機種のみ”XV-シリーズ””V-Plusシリーズ”です。ちなみに、純国産が”V-Plusシリーズ”で、台湾組立している”XV-シリーズ”です。

他社比較した視点で見ると、コラムが全体的に細い印象を受けます。(軽量化がしっかりされていると言うべきかもしれませんが。笑) ただ、将来の多面パレット5軸制御マシニングセンタでの生産システム検討でしたら、まずはマツウラの立型マシニングでお試ししてみるのもありかもしれません。

松浦機械製作所については、5軸制御マシニングセンタでたくさん取り上げます。

株式会社 ジェイテクト

TOYOTAグループの一角である工作機械メーカーです。立形ラインナップでは、重切削向けの機種展開をしており、C型コラム構造の角形ガイドの”FVシリーズ”・門型コラム構造の角形ガイド”SBシリーズ”があります。両機種ともに大型ワークに対応できるラインナップです。

加えて、機械加工の垣根を超えた取り組みである『IoE (Internet Of Everything)』というデジタルトランスフォーメーションに注力しているので、スマート工場化の提案も受けられると思います。IoTのThing(モノ)ではなく、IoEというのは、EveryThing(すべて)らしいです。

ジェイテクトは、大規模なIoTソリューションへの取り組みをしており、産総研(産業総合技術研究所)との連携ラボもあります。 日本において、トヨタ生産方式を超える次世代の製造業の生産方式を生み出してくれることが楽しみですね。

三菱重工工作機械 株式会社(日本電産マシンツール 株式会社)

ちょうどこの記事を投稿する当日に会社名変更のプレスリリースがあります。2021年8月2日から正式に日本電産グループの子会社化になります。当面の間はラインナップも人員体制も変更ないようなので、今までのメーカー特徴の情報を記載します。

ラインナップ戦略が縮小と拡大を繰り返している印象です。

10数年前までは一般的なサイズのマシニングセンタも取り扱いありましたが、一般的な立形マシニングは撤退し、2020年までは微細マシニングセンタと5面門型マシニングセンタまでのラインナップでした。

ですが、2020年にコラム門幅1300~1700の門型構造マシニングセンタ”MV-Bxシリーズ”を発売しています。大型立形マシニングセンタと5面マシニングセンタの中間サイズワークの市場に向けた機種展開でしょうね。

主軸種類などのオプション展開の充実化をすれば、一気に増えてくる市場のように感じています。

東洋精機工業 株式会社

自動車関連の量産加工向けのラインナップがメイン。ちなみに通称名は”トヨスク”です。

株式会社 西田機械工作所

ターンキー生産向けのマシニングメーカーです。特注設計のマシニング作りに強みがあります。

株式会社 紀和マシナリー

自動車関連の量産加工向けのラインナップがメイン。治具設計までトータルで提案できる設計力と機動力が大きな強みです。また、自動車部品のデフケースの加工専用機としてハル技術研究所の共同開発した機種は特定加工において大きなシェアを持っています。

エンシュウ 株式会社

自動車関連の量産加工向けのラインナップがメイン。最近は一般加工向けにも注力をしており、ローダー仕様のラインナップも充実化しています。

コマツNTC 株式会社

ターンキーでのライン設計に大きな強みがあり、クランクシャフト加工機やトランスファマシンとの組み合わせ自由度の高めたマシニング構造をしています。

ホーコス 株式会社

自動車関連の量産加工向けのラインナップがメイン。治具構成の自由度を高めたベッドレスの機械や、超省スペースなマシニングセンタなどのオリジナル性が高い機種展開もあります。

豊和工業 株式会社

自動車関連の量産加工向けのラインナップがメイン。治具チェンジャタイプのマシニングや、主軸#15サイズの小物アルミ部品加工向けマシニングのラインナップがユニークです。

株式会社 ソディック

微細加工に特化したメーカーです。このメーカーは微細マシニング編で取り上げます。

碌々産業 株式会社

微細加工に特化したメーカーです。このメーカーは微細マシニング編で取り上げます。

芝浦機械 株式会社

微細加工と5面加工機のマシニングメーカーです。このメーカーは微細マシニング編と5面加工機編で取り上げます。

新日本工機 株式会社

5面加工機のマシニングメーカーです。このメーカーは5面加工機編で取り上げます。

大鳥機工 株式会社

基本はラジアルボール盤メーカーです。立型マシニングセンタは海外OEMのラインナップです。

株式会社 静岡鐵工所

基本はフライス盤メーカーです。立形マシニングセンタは海外OEMのラインナップです。

株式会社池貝

日本最古の工作機械メーカーです。旋盤製造から脈々と受け継いできた技術で、マシニングも製作しています。マシニングメイン市場でのラインナップ展開ではなく、「ホーニング加工+マシニング」という切り口での機種展開です。

株式会社 武田機械

長尺マシニングに強みがあります。また、プレートのフェイス加工とブロックの側面フェイス加工の機種展開に大きな強みがあります。

株式会社 イワシタ

長尺マシニングに強みがあります。また、専用製作に強みがあるので特殊なワーク素材加工や新しい工法のヒントになり得ます。

株式会社 平安コーポレーション

メインラインナップは樹脂加工や木材加工のルーター。一部、軽金属や複合材加工用のマシニングセンタをラインナップしています。イメージ的には0.01mmくらいの加工精度に対しては、ルーターベースのマシニングセンタがコストパフォーマンスが高いと思います。

株式会社 滝澤鉄工所

メインは旋盤メーカーです。「旋盤加工ラインに1台マシニング!」というときに、まとめて滝澤鉄工所に任せられる安心のためのラインナップといったところでしょうか。

株式会社 ツガミ

メインは旋盤メーカーです。「旋盤加工ラインに1台マシニング!」というときに、まとめてツガミに任せられる安心のためのラインナップといったところでしょうか。

株式会社 エグロ

旋盤がメインのメーカー。一部、小型マシニングをラインナップしています。

以上です。

メーカーによっては、リンク転載お断りが何社かあったので、まとめて全部リンクURLは無しにしています。画像やリンク貼りができない分、内容は魂込めて書きました!

あと、日本工作機械工業会に入っていない小規模なマシニングメーカーも何社かあります。たとえば、スギノマシンというマシニング・専用機メーカー。(なんで工業会入ってないんだろう、、)

とったメーカーがありますが、日本市場の98%くらいはこの33社でコンプリートだと思います。

まなぶくん
まなぶくん

はぁ〜〜やっと書き終えました。

次回は立形マシニングセンタにおける最新の動向についての記事です。お楽しみに!

ではまた!

コメント

  1. いかり大佐 より:

    SLD-MAGICを開発したダイセルの久保田邦親博士(工学)の材料物理数学再武装って結構面白い。品質工学と人工知能のあいのこみたいな話で、例えばトライボロジーにおけるストライベック曲線はペトロフとクーロン則の合成則なんだけど、人工知能にでてくるシグモイド関数での結合が最もしっくりくるとか、世の中全部関数接合論でできているのでAIが重要なんだとか。高校や大学で、微分法や変分法を習ったときこれを基本に社会のトレードオフ関係にあるものが基本的には決定されているんだなと思って感心した。

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